WING GUNDAM Ver.Ka[`ZERO`look tune] MasterGrade 1/100
【worked & written by papamodeler】


良いキット MG、HG問わず最近のキットは本当に出来が良いです。3000円前後でこんな素晴らしい造形が施された商品をエンドユーザーが手に出来るなんて、全くバンダイには感謝です。満を持して発売されたこのMGウイングガンダムもその例に漏れず、やれ足が短いだとか頭がデカいなどと文句の付けようが無く、これ以上何かするとしたら、マスプロゆえに簡略化されたディティール(面、エッジなど)をファインアップするくらいで僕にとってはもうそれでお腹一杯なのです。

ウイングガンダムという世界/MSデザインのポストモダン?
ウイングゼロはTV版の大河原版デザインに対し、続編版(OVA、劇場版)にてカトキハジメ氏のリファインによってオリジナルとは全く別物として生まれ変わっています。
ウイング自体も同様にリファインがなされていますが、続編(OVA,劇場版)の劇中には登場せず、カトキ版ウイングゼロからさかのぼって存在したであろうという仮定から設定上でのみ存在するのが、「アーリーモデル」と呼称されているMG Wガンダム Ver.Kaということになります。
面白いのは、例えば大河原版とカトキ版のザクのようなパラレルな関係ではなく、TV版「新機動戦記Wガンダム」に登場したゼロとその続編であるOVA「エンドレスワルツ」中に登場するゼロの外見は全く別でありながら、「同じもの」として扱われます。登場キャラ達は何の疑いも無く白い羽根を広げたMSを見て「ゼロ」と呼ぶのです。一体どういうことでしょう?それはきっとWガンダムという世界が「おとぎ話」だからではないか、と思うのです。キャラ、世界観、MSのデザインから立ち振る舞いまで全てに耽美的なフィルタリングが掛かっており、続編では更にその耽美性が加速し、その象徴があのゼロの天使の羽根といえるのではないでしょうか?
そうなるとあの白い羽根、というかもうWガンダムという世界にメカデザインのリアリズムを求めることがナンセンスに思えてきます。ならばいっそ、より過剰な装飾を模型で追求することを作品の狙いにしてみよう、と考えました。 [2004.7 finished]